2010年01月02日

掛軸表装の工程を写真で公開

掛軸表装工程(伝統手打ち工法)を公開します

完成までいくつもの作業工程があり、1日の作業ごとにアップしたものを再編集しました。四国八十八カ所集印の仏表装を中心に解説していきますが、同時進行で、その他の掛軸の本紙、裂地のパーツも写真の中に入っていますので、ご承知おき下さい。完成までは約2ヵ月を要しました。

第1日

1.裂取り
表装用の裂地(きれじ)を必要分裁断します。 写真は「紺地蓮華金襴」
掛軸工程裂取り.jpg 

2.水入れ
絹本(絵絹)と裂地に水刷毛で、裏から水を含ませ、縮ませます。
掛軸工程絹本水入.jpg 

掛軸工程裂水入れ.jpg 

3.乾燥
毛布の上に置き、一旦乾燥させます。
置き干し.jpg 



第2日

4.裏打ち紙拵え

肌裏(はだうら)用の、すなわち最初の裏打ちの紙を準備します。
手漉き二三判(約60×90p)の薄美濃紙(うすみのがみ)を巾は裂巾+3p、丈を約30pに裁断します。
紙拵え.jpg

5.肌裏打
肌裏紙に糊を付けます。
糊付け.jpg

あらかじめ絵絹の裏に軽く、湿りを入れておきます。
裂の裏面に和紙を貼り付けよく撫で付けます。糊は澱粉煮糊を使用。
紙の継ぎ目の重なりは約1.5oで、上から順に裏打ちしていきます。
裏打ち.jpg

6.乾燥
表を向けて毛布の上で乾かします。
乾燥.jpg


第3日

7.増裏打ち
 2回目の裏打ちの和紙を準備します。
 紙は、薄口の大判御簾を使用。喰い裂き(引き裂いて和紙繊維を出す)をしておきます。
御簾紙喰い裂き.jpg  御簾喰裂毛先.jpg

8.増裏の紙に糊を付けます。糊は肌裏の糊を薄めた水糊。
増裏糊付け.jpg  掛け竹.jpg

9.1枚ずつ、喰い裂きの毛羽の部分で裏打ち紙を継ぎ合わせて 裏打ちをします。
増裏打ち裂.jpg  増裏紙置き.jpg 

10.打ち刷毛で、たたいて打ち込み、肌裏紙と増裏紙との繊維を絡ませ一体化させます。
打ち込み裂.jpg  増打ち込み.jpg

11.毛羽立ちを押さえるように、しっかり撫で付けます。
増裏撫で込み.jpg

12.仮張りに張り付けて、乾かします。 
仮張り.jpg


第4日

13.裏打裂の裁断
 仮張り10日後、仮張りから本紙、裂を外し、掛軸の中廻し、柱、天地の各パーツを裁断します。
13.裏打裂裁断.jpg


14.付け廻し(切り継ぎ)
 本紙から外側に向かって、筋・中廻し・筋・総縁の順に、裁断した裂を糊で継いでいきます。糊代は約1.5oないし3o。
14.切り継ぎ1.jpg 14.切り継ぎ1.jpg 14.切り継ぎ3.jpg 14.切り継ぎ4.jpg


15.耳折り 表具幅に耳の折筋を付け、裁断し耳を折り返して糊付けをします。(耳幅は3.5o)
15.耳折り.jpg


16.総裏紙の拵え 
 宇陀紙を表具幅より両側約25oずつ広げた幅に裁断、上下を食い裂きします。
16.宇陀紙食い裂き.jpg


第5日

17.総裏打ち 
準備した宇陀紙に水糊を付けます。
17.総裏上巻き.jpg


上部分は上巻き絹を裏打ちしその後、宇陀紙を食い裂きの毛羽部分で継ながら下まで裏打ちしていきます。
17.総裏打ち.jpg 17.総裏撫で付け.jpg


次に、打刷毛で叩き、総裏紙と増裏紙との密着度を高め、一体化させます。
17.総裏打刷毛.jpg

和紙の毛羽立ちを押さえ、棕櫚刷毛で撫で込みます。
17.総裏撫で込み.jpg


18.総裏後の仮張り
 裏打ちの終えた表具を仮張り板の上に移動させ、宇陀紙の余した部分に糊を入れ、張り付けます。
18.仮張り糊付け.jpg 18.総裏仮張り.jpg

第6日

19.裏擦り
 3〜4週間後、仮張板から表具をめくり、裏側から数珠で幅方向に擦ります。
これは掛軸に柔軟性を持たせ巻きやすくするためです。
19.裏摺り.jpg 19.数珠.jpg

20.耳剥き
 仮張りの糊代としていた余分な総裏紙を、裏側から折り返してそぎ落とします。
20.耳剥き.jpg 20.耳剥き2.jpg


21.軸棒を付けます。
21.軸棒付け.jpg


22.表木を付けます。
22.表木付け.jpg 22.表木付け2.jpg 22.表木付け3.jpg


23.風帯を針と糸で縫い付けます。
23.風帯付け.jpg


24.鐶を付け、軸紐を付けます。 
24.鐶打ち.jpg


25.完成
25.完成.jpg

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ラベル:表具 裏打ち 掛軸
posted by やがみ at 15:25| 掛軸表装工程 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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